長野県で聞いた中小企業の経営課題~外国人の受け入れ~

今週は長野県松本に来ています。中小企業の経営課題を専門にしている松本大学の兼村 智也教授とお食事しながら、いろいろお話をしておりました。

松本市や長野市は都市なのでサービス業が比較的多いそうです。一方、諏訪市、岡谷市、茅野市、富士見町、原村…などでは精密機械工業が多く、外国人の受け入れなどもよく検討されるようです。やはりサービス業より製造業系の方が外国人労働者のニーズが多いようです。

技能実習での事例についても伺うことができました。報道で聞かれるような悪いニュースではなく、技能実習の成功事例が多いです。日本で技能実習を経験したベトナム人の元実習生が、その技術を活かしてミャンマーで働く事例等があるそうです。母国への技術移転ではないですが、実習で身につけたことをキャリアアップに活かした例になります。

日本の中小企業には、黒字なのに後継者不足により廃業を余儀なくされるケースも多いです。そんな中、事業を海外に移管して、帰国した実習生に事業を引き継ぐ事例も出てきているそうです。企業から頼りにされている実習生が多いことが改めてわかります。

このように帰国後も活躍する優秀な実習生も多いのですが、技能実習制度の課題というと、技能実習では技術は修得できますが、経営やマネージメントについて学ぶことはできないことが挙げられます。(ここが一般的にいう留学生とは違う部分です)そのため、技術力は高いのですが、経営のノウハウが十分ではないために、外注先に収まってしまう元技能実習生も多いようです。

一方、日本で就職を希望する留学生については、大企業や有名企業を希望するケースが多いため、中小企業の人材不足の解決の課題といえるそうです。

長野名物山賊焼きを頂きながら、貴重なお話を伺うことができました。