外国人労働者と労働基準監督署

従業員が労働基準監督署に駆け込むのはたまに聞きますが、外国人労働者の場合は言葉の壁があるから、労基署への駆け込みはあまりないだろうと思っていました。しかし、都内の労働基準監督署の職員さんによると、実は結構外国人労働者が相談に来られるそうです。全く日本語が話せない場合は外国人専門の窓口を紹介しますが、カタコトでもある程度日本語が話せるようであれば、労働基準監督署の窓口で対応するケースも多いそうです。

どのような相談が多いのか聞いてみたところ、「最近は休業手当が支払われない、という相談が多いです」とのことでした。(コロナによる受注減や営業自粛の影響ですね、やはり…)そういった場合はどのように対応するのか、さらに聞いたところ「その労働者から正式に申出があれば、労基署からその会社に調査に行きます」とのことです。労働基準法違反になるわけですから、当然の対応です。

なお従業員に休業手当を支払った場合、雇用調整助成金を申請することにより休業手当分をカバーできることも多いのですが、それをご存じない企業、もしくは知っていても手続が面倒なので対応しないという企業も多いのでしょう。

コロナがある程度収束したら、労働基準監督署が各企業に調査に入ることも予想されます。その際に、休業手当を支払うよう是正勧告が入っても、その時には雇用調整助成金の締め切りが過ぎていて、企業が全額休業手当を負担しないといけないケースも出てくるでしょう。やはり日頃から法令を守り、労働者を守ることが大切です。